5/12(土)にワンマンライブを控えているサイキックラバーのお二人にライブのこと、見所を聞いてきました!途中横道に逸れること数回(汗)でも興味深い話が出てきたのでほぼノーカットです(笑)
約5,000字のインタビューお楽しみください!
15周年ということで今回のライブはこれまでのベスト的な内容だったり、それとも予想を裏切るような内容だったりとファンは想像ばかりが膨らんでいると思うのですが、どんなことを考えていますか?また前回のワンマンは2017年の12/9(土)に行われて、今年は5/12に新宿、8/26(日)にはYOFFYさんの地元長野でも決定してます。今後の予定はどのような感じですか?
YOFFY(以下Y):今年は発表されているもの含めて年に5、6回と考えています。今回のライブは15周年イヤーの第一弾という位置付けですね。
IMAJO(以下I):ライブは定期的にやっているので「今回はベスト的なセトリです!」とか言っちゃうと次のライブをどうするかが難しくなっちゃう(苦笑)
やはりライブでは欠かせない曲というのがありますからね。
I:ライブは毎回テーマを決めて、新旧織り混ぜつつやっています。
Y:それと今年はDrでサポートしていただいている(※1)そうる透さんの生誕60周年とかけています。
※1 THE ALFEEのサポートをはじめ、SENSE OF WONDERやURUGOME、DED CHAPLINといったバンドにも参加している日本を代表するドラマー。
I:凄くないですか?透さんにとってツーバスドコドコやるのに年齢は関係ないんでしょうね。
Y:Wアニバーサリーな感じで皆の記憶に残るような演出が出来たらなと思っています。
寄せすぎかもしれないですが、サイキックラバーでそうる透さんが以前サポートを務めていた(※2)THE ALFEEのメリーアンをやったら面白くないですか?
※2 坂崎幸之助、桜井賢、高見沢俊彦によるバンド。デビュー当初はFolkグループであったがRockの要素を取り入れてから人気を博す。代表曲は「メリーアン」「星空のディスタンス」「STARSHIP~光を求めて~」他多数。
I:俺スタジオで星空のディスタンスのリフを弾いたことあって、そうしたら透さんがすぐ合わせてくれたんです!やってくれるんだぁって感動しました。
その瞬間シビれますね!
I:しかも反応が早いの!音を聴いた瞬間に置いてあるスティックを取ってやってくれるから申し訳ないなぁって思いながらやっちゃうんですよ。THE ALFEEやっちゃう?
Y:星空のディスタンスとか良いよね。
そうするとIMAJOさんが高見沢さんパートをやるのが見れるじゃないですか!
I:あの曲は高見沢さんの歌は殆どなくて桜井さんだからなあ。
Y:そういえばサイキックラバーのデビュー曲「TRANSFORMER -Dream Again-」ってTHE ALFEEのSTARSHIPを聴きながら作ったからね(笑)
YOFFY (Vo)
STARSHIP良いですよね!
Y:そう!STARSHIPチョー格好良いなと思って!やっぱり透さんがサポートしていたTHE ALFEEは僕らのルーツの一つなんだよね。
I:そう、THE ALFEEは凄い好きなんで!
Y:日本人でTHE ALFEE嫌いな人はいないでしょ!?
I:僕はTHE ALFEEみたいに、他に似ているアーティストが浮かんでこないような人が好きなんです。その唯一無二感が良いんだよね。
Y:やっぱりあの時代に三声のハーモニーでWest Coast Rockというか、ちょっとHardなモノを入れつつ日本の歌謡曲に革命を起こした人達だと思うんです。
あれだけコーラスを極めてやっているバンドっていなかったですよね。
I:ってTHE ALFEEの話をする場面じゃないですからね(笑)
失礼しました。それでは話を戻して演奏する曲についてもう少し聞かせてもらえませんか?
Y:今回初出しになる曲もありますし…
I:曲は新旧入り交じり、皆の聴きたい曲もあり…
Y:加えて「透さんが今叩きたい曲」というのを取り入れたりとか考えています。それと透さんには今回もドラムソロをやっていただきます。そうる透さんのドラムソロが聴けるのはサイキックラバーのライブだけ!なのかわからないけど(笑)
I:サイキックラバーなのにね(笑)
Y:なんならIMAJO先生の長尺ギターソロなんかもあるかもしれませんよ?(※3)PoisonのC.C.Devilleくらいの長いやつ(笑)
※3 80年代に人気を博したアメリカのL.A. Metalバンド。グラマラスでケバいルックスに影響を受けたバンドも多い。音楽的にはHardな音にPopでキャッチ―なメロディー満載でサイキックラバーとの共通点も見られる。代表曲は「Fallin’ Angel」「Every Rose Has It Thorn」「Nothin’ But A Good Time」など
音詰め込みまくり!なやつですね。
I:俺そういうギターソロは好きじゃないなあ(苦笑)
Y:マジで!?俺(※4)Paul Stanley(KISS)の意味不明なライトハンドをやったりするの好きだけどね(笑)テクニックがあるとかじゃないんだけどピロリロ×2ってやった後客席を指差して「どやっ?」ってやるのが格好良いんだよ(笑)
※4 歌舞伎風メイクをしたメンバーが印象的なアメリカのHard RockバンドKISSのメンバー。とにかくキャッチ―な音楽でメンバー全員がヴォーカルを取り、近年ではももいろクローバーZとコラボもしている。代表曲は「Detroit Rock City」「Rock And Roll All Nite」「I Was Made For Lovin’ You」など
I:(ソロを弾くなら)構築させなきゃいけないのよ。
Y:構築すれば良いじゃん(笑)(※5)高崎晃さんとか(※6)Paul Gilbert(Mr.Big、Racer X)凄いよね。
Paul GilbertとかもうGITの授業受けている気分になる。
因みに(IMAJOは)元MIの超速ギターコースの先生だからね。
※5 影山ヒロノブも在籍していたバンドLAZYでデビューし、世界で活躍する数少ない日本のバンドLOUDNESSのリーダーでギタリスト。そのテクニックは世界レベルで影響を受けたギタリストは数知れず。代表曲は「Crazy Doctor」「Crazy Night」「S.D.I」など。
※6 Racer Xでデビューし、その超絶速弾きに当時のギターキッズが夢中になった。その後元Talas、元David Lee Roth BandのBilly Sheehan、ソロで活躍していたEric Martin、元ImtepellitteriのPat Torpeyと組んだMr.Bigで日本でも人気を博す。日本に住んでいたこともありKinki Kidsの番組に準レギュラーで出演していたこともある。
I:例えばレコーディングでギターソロを録るときは、オケを流しながら鼻唄でメロディー考えて、それをギターで再現するって方法なんですよね。
Y:そこはアドリブだよ!
I:昔はアドリブでやっていたけど……飽きちゃうというか限界を感じるんだよね。歌もアドリブで歌っていたら毎回同じ感じになっちゃうじゃん?
Y:いやいや、バンドを組んだばかりの頃「Improvisationだ!」とか言っていたじゃん(笑)
例えば(※7)George Lynchとかは事前に決めている部分とアドリブのバランスが素晴らしい。毎回違うんだけど構成は一緒で、Dokkenて毎回32小節くらいのソロがあるから楽しいよね。今日はこっちか!って(笑)
※7 L.A. Metalを代表するバンドでメロディアスで哀愁味のある楽曲が人気だったDokkenのメンバー。その切れ味鋭いギターワークはカミソリギターと呼ばれていた。
I:そういう聴き方をしているのが果たして何人いるのかだよ(笑)そういう聴き方をしてくれるならGeorge Lynchもやった甲斐があるよ。
Y:Georgeのフィンガリングに熱い眼差しを向けてさ(笑)
I:俺もなるべく手癖でやらないようにって気を付けているんですけどね。
サイキックラバーのライブは超絶系のミュージシャンが集まっていますから。ベースの田中っち(田中亮輔)、と僕は呼んでいるんですけど彼はとんでもなく上手いです。僕はサポートの仕事もしているので色んなミュージシャンと一緒になるんですけど、彼のベースはミュージシャンというよりアーティストという言葉が合う。
Y:昔一緒に焼き鳥焼いていたのにね(笑)
I:昔一緒にバイトしていました。それで彼の方が先にHAIRCUTSというバンドでデビューしたんです。
Y:秋元康さんプロデュースで。
I:そう!だからAKBの先輩なんですよ!(笑)22、23年前かな?当時から上手かったんですけど、曲に合わせつつ自分のカラーを出したベースのフレーズを作って来るんですよ。サイキックラバーのレコーディングも彼がベースをやっていて、ライブも凄いですよ!サポートミュージシャンは曲をCD通りにやるというのが一応のセオリーだったりするんですけど、彼の場合は彼の世界観があって自分なりのフレーズを入れてくるので、多分ライブになるとCDとはまた違ってくるんです。そういうのってライブに来ないと聴けないものなのでそれも見所だと思います。
そうる透さんも何曲かレコーディングに参加してもらった曲があるんですが、基本的にサイキックラバーの曲は打ち込みのドラムか他のドラマーに叩いてもらっているんですね。それを透さんにコピーしていただいてライブでやるんですけど、やはり透さんが叩くライブでしか聴けないテイク、ノリも全然違うし、フレーズも違う。一周回ってそれが定番になっちゃってて、たまにオケに合わせてやると不思議な感じでやりにくい時がある(苦笑)
Y:透さんってリハのときは備え付けのドラムセットでやるんですけど、本番で自分の要塞みたいなセットになると全然違って、僕らも本番まで透さんが何をするのかわからなかったりする (笑)「こう来るんかーい!(驚)」って驚かされる(笑)
I:リハやった意味ある?ってくらい変わる(笑)
タムとシンバルの数が倍以上に違いますからね。
Y:多分叩きやすさとかも違うでしょうし、極限までスピードと技術を突っ込んでくるからだと思います。最初はそれに合わせて歌うのが大変だったんですけど、最近これはもう透さんとのバトルとして歌っていますね。「よくこの上で歌えるなあ」って本人に言われたりするんですが(笑)そういうのが楽しかったり、ライブならでは感というのがサイキックラバーにはあると思いますね。
楽器をやっている人からしても一流のプレイを見聴き出来るっていうのは魅力的ですよね。今のライブハウスって一つ一つの音、各パートの音が聴き取りやすいですし。
I:昔のライブハウスって吸音の施工が上手く出来てなくて………
Y:凄いこと言うなあ(笑)
I:その結果出た音が回り回って良い感じになるんですよ。
Y:アンビエンス感(笑)
I:回り回って音がワァンワァンしているのが良かったんですけど、最近吸音がしっかりしていてスタジオでやっているような感覚になるライブハウスがあって、個人的にはあまり好きじゃないです(汗)音が凄くハッキリと聴こえてくるじゃないですか?音の跳ね返り具合とクリアな環境両方の良い塩梅のところで建築業者には作って欲しいなと凄く思っています(笑)
余談になるんですけど上海に行ってライブをやったときに、会場のホールが正に今話したような昭和の日本各地にあったであろうライブハウスの音がして「うわーっ!」とちょっと感動したんですよね!良い具合に音が回っていて。「コレだよ!コレでライブ出来ると感動するんだよなあ」って興奮した!
Y:そういう原点って文化祭の体育館でのライブの光景だよね(笑)
IMAJO (Gt)
I:だからYouTubeに色んなライブ映像が上がっているけど没個性過ぎて物足りない。確かに目で見れるけど肌で感じるインパクトは得られないじゃない?凄いデカい音でやっているものをスマホの小さい音で冷静に聴ける環境だけど実際に見に行くライブってそんなもんじゃないじゃない?
Y:PCの画面で聴いて見てライブ行った気になって欲しくないですね。やっぱり行かないと!
バスドラムとかベースの音圧で耳の奥が痒くなったりとかそういうのですよね。
I:今業界でライブの動員が以前より増えているみたいですからね。楽曲ってCDで毎回同じものを聴けるけど生き物ですから。例えばCGで100mジャンプする人の映像を作ることは出来ますけど感動はしないじゃないですか?でも実際に目の前で100m飛ぶ人を見たら滅茶苦茶感動するじゃないですか?目の前のリアルって、それに勝るインパクトは無いと思うんです。
Y:俺も去年Mr.Bigの武道館ライブに行ったとき(※8)Pat Torpeyが、それこそ死ぬほど聴いているTo Be With Youで「今さら感動なんかしないよ」と思っていたけど、Pat Torpeyの語りの入ったムービーが流れて、曲が始まったらボロボロ涙が流れてきたからなあ。今にしてあれがラストステージだと思ったら尚更ね。死ぬ瞬間はある日突然誰にでも訪れるわけじゃないですか?いつ最後のライブになるかわからないなと思ったりして、毎回どんなステージでも思っていることなんですけど改めて考えさせられましたね。
※8 Mr.Big以外にも数々の有名アーティストのレコーディングやセッションに参加している実力派ドラマー。2014年にパーキンソン病であることを公表。闘病しながら音楽活動をしていたが2018年2月7日永眠。YOFFYが語っているTo Be With Youは全米No.1を獲得したMr.Bigの代表曲。
I:だから今回も来て欲しいと?
Y:そう、そうだよ!ある日突然で最後になるかもしれないから!そればっかりはわからないなと思いましたね。だって(※9)Impellitteriで叩いていた人がさ……最後はMr.Bigでパーキンソン病による合併症で亡くなるなんて想像出来ないでしょ。
※9 高速ギタリストChris Impellitteriのリーダーバンド。速弾きが売りのギタリストがいる中Chrisは高速フレーズでもフルピッキングということで注目を集める。またChrisはANIMETAL USAのメンバーでもある。
I:僕も似たように病気で手が動かなくなって、脳の手術をしたんですよ。当時ブログでも公表していたんですけど、だから思うように動かないという気持ちはわかります。亡くなった原因がパーキンソン病の合併症だからまた自分とは事情が違いますけどね。詳しくは僕のブログを見てください。
Y:IMAJOが手術をする前のライブは「これが最後かもな」って思いが頭にあった。それとは逆に「回復してこれからも続けられるかもしれない」というのと半々でした。あれは2007年?
I:あれは2009年。
Y:その時のライブがDVDになっているんです。「Psychic Lover Ⅲ -Works-」というアルバムの付属DVDです。これがIMAJOの手術前のライブでそのときは「これが最後になる可能性が無きにしも非ずだな」というのを少し思っていました。
I:ジストニアだったんですけど、実際の患者数は皆さんが思っているより多いみたいです。ジストニアという名前を知らないで「お酒の飲み過ぎかな?」とか「アル中かな?」とか気付かない人が多いみたい。
Y:誰にも知られずに消えちゃったミュージシャンって、調べてみたら病気が原因でしたってことが多いですよね。逆にこうやって公表してからいなくなってしまう人は少ないじゃない?
I:自分の場合は隠し事でもないから普通に公表しちゃって(笑)これってあまり前向きなことではないので自分にメリット無いな、寧ろ「アイツ病気だから」って仕事減っちゃうんじゃないかな?とか思ってた(笑)それはそれとして同じ病気に苦しんでいる人達の何かこう、少しでも有益な情報になればと思ってね。また話が逸れちゃった(笑)あ、ちなみに現在は完治しているのでご安心を。
最後に一言お願いします。
Y:年内はワンマンライブの他にも多数のイベントに出演する予定なので追いかけて欲しいですね。
YOFFY HP
YOFFY Twitter
YOFFY Instagram
IMAJO Twitter
IMAJO Blog
IMAJO Instagram