沈黙を守ってきたSilexが遂に動き出した。今年(2019年)の6月23日に新しいヴォーカリストDan Figueiredo(ダン・フィゲイレド)を迎えてのライブを行ったばかりだが、今度は10月21日、22日、23日と三連続のライブが予定されている。このライブについてだけでなくヴォーカリストのDanについてもMASHAに語ってもらった
Silexに新しいヴォーカリストDan Figueiredoの加入が発表されましたが、彼との出会いやエピソードなどを聞かせてください。
MASHA:Danとはインターネットを通じて昨年春に出会いました。
彼はヘヴィメタルが盛んな国ブラジルの出身で、地元で精力的な音楽活動を行なっていたのですが、日本の文化にその身を置きたいという思いが募り昨年春に日本にやってきました。
そして偶然インターネットでSilexを知り、我々のSNSページに“熱烈なファン“としてコメントをくれたことが最初のきっかけでした。
(それは偶然にも、前任シンガーのPete Klassenがやむを得ない事情によりバンドを離れカナダへ帰国する事が決まったその日の出来事でした。)
それから個人的なメッセージを交わすうちに我々は意気投合し、お互いのアルバムをインターネットで交換したりする中で、実際に会ってSilexの曲でジャムセッションしようという話になりました。
それが昨年の秋頃の出来事ですね。
そのセッションでDanが素晴らしい歌唱を披露してくれたこと、そして先述の偶然なタイミングでの出会いにただならぬ運命を感じた僕はDanに『僕のバンドで歌ってくれないか?』とSilexへの加入を相談しました。
彼は最初とても驚いていましたが、『もちろん喜んで!』と加入を決めてくれました。
Danのヴォーカルを初めて聴いたときの印象は?加えてその魅力を教えてください。
MASHA:Danの歌声を初めて聴いたのは、『Silent Heaven』という、彼がブラジルで参加していたメタルバンドの曲だったのですが、ハスキーながらメロディアスで叙情的な声質で今度は僕のほうが一瞬でファンになりましたね(笑)
そして初めて聴く彼の歌唱は不思議と耳に残る、一種の懐かしさを感じました。その感覚は後に彼のバックボーンを聞いて明らかになりました。
それからリハーサルでSilexのいくつかの曲を歌ってもらった時…、予想を超えた素晴らしい歌唱だったのは言うまでもありませんが、あまりにもPeteの歌唱法を熟知した歌い方だったため、何故そんなに上手く歌いこなすことが出来るのかと尋ねたところ、
『僕はPeteの歌唱スタイルを心から尊敬しているからね!この数ヶ月、彼から多くのことを学んだ。』と彼は笑顔で話してくれました。
前任シンガーのPeteは信じられないレベルでハイトーンを操り、ショウマンシップの権化ともいうべきカラフルな歌声で聴く人を燃え上がらせるタイプでしたが、Danは倍音豊かな声質と叙情的なメロディセンスを併せ持つシリアスな歌声でグッと胸に染みてくるタイプですね。
Danの音楽的嗜好は何ですか?またどんなミュージシャンに影響を受けたのでしょうか?
MASHA:彼の音楽的嗜好は、ANGRA、HELLOWEEN、STRATOVARIUS、NOCTURNAL RITESなどヨーロピアンテイストの強いメロディックパワーメタルやプログレッシブパワーメタルなどです。
彼が影響を受けたシンガーとしては、ANGRAの初代シンガーAndre Matos、NOCTURNAL RITESの現シンガーJonny Lindqvistなどをフェイバリットに挙げています。
先日のMETAL NATIONでサポートメンバーを加えた現体制の音をファンに届けたわけですが、その反響や手応えなどお聞かせください。
MASHA:今年の6月に行ったMETAL NATIONは形式こそ僕のソロプロジェクトではありましたが、Silexのニューシンガーとしてこれから共に歩むDanをフィーチャーしたライブでした。
前置きとして、Silexは今年の4月に僕以外のメンバーが脱退しました。
メンバーそれぞれの方向性の違いや、現実的な距離の問題などで継続が困難だと考えての決断でした。
この時点では先述のライブについては全くの白紙でしたが、これも偶然のタイミングで大阪のライブハウスから個人的にオファーを頂き、それならばとDanと共に出演することを決めました。
新たな道を歩む決意は固いものでしたが、これまで共に歩んできたファンの皆さんの期待に応える事ができるのか…
そういった面で我々は少しナーバスな状態でしたね。
しかしいざライブが始まればそんな不安はスカンディナヴィア山脈の向こうへと飛んでいきました。
ニューシンガーDanを、そしてDanの魅力的な声で生まれ変わったSilexの曲を、集まってくれた沢山のファンが全身で受け止めてくれました。
結果は大成功だったと思います。
ライブで大勢のファンの反応を受けて、我々の決意と信念により自信を持てるようになりました。
10/21~10/23と三連続ライブが予定されてますが、各日のテーマや意気込みを聞かせてください。
MASHA:三連続のライブについてですが、10月21日(月)は西池袋にありますレストランPapiPopiを貸し切り、僕とDanによる1stアルバムの全曲披露を行います。
そして、かつては音楽レーベルZERO CORPORATIONの代表であり、現在はレストランPapiPopiのオーナーシェフを務める橋本徹さんをインタビュアーに迎えたトークセッションも行われます。
お陰様でこちらのイベントはソールドアウトとなりまして、翌々日10月23日(水)にレストランPapiPopiにて追加公演を行うことになりました。
この日はARISE全曲披露に加えて、新曲の披露も予定しております。
更にはバンドにとっての重大発表も行われますので、ファンの方もそうでない方も(!)是非ともお越し下さい。
10月22日(火祝)は新宿のライブハウスHOLIDAY SHINJUKUにて、ノルウェーのプログレッシブメタルバンドCIRCUS MAXIMUS来日公演のオープニングアクトを務めます。
今回はSilex名義での出演となりますが、これは我々の決意と理解して頂ければ幸いです。
PapiPopi店頭で販売されている「Wind From The East」について教えてください。
MASHA:10月21日、23日のライブ会場であるレストランPapiPopiでは現在Silex/MASHAグッズを沢山取り扱って頂いているのですが、その中で『Wind From The East』というCDはこのお店でのみ購入可能な限定グッズとなっております。
2018年2月に他界した天才ギタリストZeno Rothは僕のインスピレーションの源でした。そのZenoへの感謝の気持ちを込めて制作したインストゥルメンタルCDです。
昨年発表したオリジナルバージョンに加えて、アコースティックアレンジバージョンも収録した2曲入りとなっております。
今後のSilexや個人の活動の予定は?
MASHA:Danという素晴らしいシンガーに出会えて、Silexは再スタートすることが出来ました。
我々は現在次作に向けての創作活動を行なっており、納得のいく作品が揃えば来年にはアルバムとしてリリースする事を考えています。
シングルカットとして一足お先に披露できればとも考えていますので、楽しみにしていて下さい。
1stアルバムを超える内容になるのは間違いありません!
僕はSilexと並行して個人活動を行なっていますが、あくまでSilexという存在をより多くの人に知って頂きたいという思いで取り組んでいます。
Silexが忙しくなって個人活動が少なくなっても、それは本望ですね。トッププライオリティはいつもSilexにあります。