NoB アルバム「No Regrets」インタビュー

個人の名義として2枚目のアルバム(何と前作から24年振り!)をリリースしたNoBにインタビュー。アルバムで作曲と全てのギターとアレンジをしたIMAJO(PSYCHIC LOVER)、作曲とプロデューサーのKacky(Marina del ray)にも同席をお願いし、アルバムについて語ってもらった。

ファン待望の2ndアルバムがリリースとなりますが、制作のキッカケや経緯を聞かせてください。

NoB:キッカケというものでもないですけど僕、今年デビューして35周年なんですね。30周年の時には記念ライブを盛大にやらせてもらったんですが、特に5年刻みに何かをやろうというのは無かったんです。
そんな矢先に聖闘士星矢で面識のあったKackyから「アルバムを作りませんか?」と話をいただいて、渡りに舟じゃないけどこの記念となる年にタイミング良く声をかけてもらえたので、この話に直ぐ飛び付きました(笑)

今回はIMAJOさんが全編に渡りギターとアレンジを担当されてますが、一緒にやろうとした決め手は何ですか?

NoB:ギターが上手いのは勿論だけど、僕の「こうして欲しい」ということを理解して形にしてくれるのと、これが一番大事なんだけどそういう自分のワガママを聞いてくれることかな(笑)

IMAJO:(爆笑)大先輩ですから聞きますよ!

NoB:そういうことを言い易いというのもあります。今回のアルバムは色んな想いが込められているのでやり直しもあるだろうし、あーでもない、こーでもない、と行き詰まる場面が出てくると思ったんです。そこを「IMAJO頼む!」と言える間柄、それが一番大きいですね。やっぱり人によっては直して欲しいところがあっても、遠慮してそれを言えないということが往々にしてあるんです。だけどIMAJOだったらかゆいところにも手が届くし、僕の理想とする形になるまで付き合って受け止めてくれるし、やってくれると信頼しているので。

勿論!ギタリストとしてリスペクトしていますよ!

Kackyにプロデュースしてもらったのも同じように信頼関係から始まってますからね。僕もワガママを言えるし、Kackyも「ここ直してください」とか遠慮無く言ってくれる。

IMAJOともボウケンジャーからの付き合いだから14年目ですよ。

PVにも参加されてますしね。

IMAJO:僕にとってのNoBさんは雑誌の中の人だったんで………ってこれ14年前のインタビューでも同じこと話したな(笑)

一同爆笑

NoB:変わってね~(笑)

IMAJO:やっぱり少年の頃見ていた雑誌とか、音楽って記憶にこびりつくじゃないですか?仲良くさせていただいてますけど、改めて考えるとNoBさんはそういう人なんですよね。

アルバムを作ることになり、何か構想があったのですか?

NoB:構想はあって無いようなものですけど、ずっとロックの世界を中心にアニソンや特撮、ポピュラーミュージックなど幅広く活動してきた中で「NoBらしいものはなんだ?」とKacky、IMAJOと3人で考えたときに「基本的にはロック路線の楽曲、そしてアニソンファンにも受け入れてもらえるもの」に至りました。

1stアルバムをリリースしてからですが僕もプロデュースの仕事をやるようになり、育てる側の勉強もし始めて、アイドルやヴィジュアル系をやったり良い経験をしたと思います。
PATAと出会ったのもこの頃で、X JAPANが解散してソロアルバム作る時にプロデュース関係とか手伝うことになり、デモテープから参加して歌っていたら「そのまま歌ってよ」となり、P.A.F.が始まりました。

因みにP.A.F.の読み方は?

NoB:ピーエーエフ。パフとは読むな!とPATAは言うけどね(笑)

IMAJO:俺はギターのピックアップのことかと思ってました。

NoB:PATENT APPLIED FORね。言葉の意味としては「特許申請中」。P.A.F.はこのことだと取れるし、一方でPATA And Friendの略とも取れるんだよね。話が逸れたけどこういう活動をしてきて1stアルバムから間隔が空きすぎたというのもあるんですけど、自分のやりたかったことを既に二周りくらいしちゃったので何をやったら良いのかわからなかった、という部分が正直ありました。でも「ロックテイストとポップなメロディーがNoBさんでしょ!」と二人が言ってくれたので、それからは迷い無く作ることができましたね。

曲を聴けばファンの聴きたいNoBさんの歌であるということが伝わってきます。

NoB:それとは逆のファンには馴染みのないテイストの曲を出した方が喜んでくれるのか?と思ったり悩みますよね。普段のバンドでは聴けないようなサウンドの方が良いのか、「これがNoBだぜ!」というものが良いのか凄い迷いました。決定打となったのは自分の好きなバンドのヴォーカリストがソロ作品を作ったときに、凄いジャジーだったり「何だこれは!?」というものになることがあるじゃないですか?

THE CULTIan Astburyとかそうですよね。

NoB:自分のヴォーカリストとしての幅を見せていくのか、この点が正に俺が悩んだところです。ファンからしたら「違うのに」とか「私が聴きたかったあなたはそれじゃない」みたいなものってビックリしますよね。そうはなりたくなかったんで。

今回のアルバムの聴きどころがありましたら教えて下さい。

NoB:聴きどころと言って良いのかわからないんですけど、歌のテクニックですかね。18歳の時にデビューして、周りの人にずっと歌が上手いと調子に乗らされてやってきたわけだけど(笑)「人に上手いと思わせる歌って実はこういうテクニックも使っているんだよ?」と知ってもらいたいという思いがありました。歌の上手い下手は人の感覚によるもので基準が曖昧じゃないですか?僕の今いる状況として歌が上手いと自分を支持してくれる人達がいる、それに甘えた無難な歌になっている自分がいると最近感じて……。ここで一つ誰が聴いても「これは凄いだろう!」と思わせるものを作りたいという意気込みもありました。
上手く説明するのが難しいけれど、一重に歌と言ってもバンドならではの制約があり、アニソンならではの制約があるんです。今回は自分のソロということで、そういった制約が無いから聴く人がどう思おうとも「自分の持っているスキルやテクニック全部を出し切らなければ!」と使命感を感じていましたね。

近年のNoBさんの歌で低いキーを歌っているとき、以前よりも声が響いて聴こえてくるのですが、これもスキルの一つでしょうか?

NoB:どうなんでしょう……常に「前よりももっと良いものを!」と思って作っていますからね。楽器も例えばストラディヴァリウスじゃないですけど古いほど良い音が鳴ると言われるじゃないですか?それと同じで35年もやっていたら自分の歌も少しは変わってきているのかもしれません。
人間の声帯の特質として高いキーはやはり劣化していきますけど、低音はそういうことは無いですからね。

数年前MAKE-UPペガサス幻想をリレコーディングしたときに河野陽吾さんが昔よりも高いキーが出ていると話されてましたが……

NoB:あの時久し振りにアルバムを作りましたけど、それまで僕はずっと歌ってきたので35年前からキーは半音たりとも下がっていません!
キーは出るけども年を重ねてくると持久力が落ちてくる問題もあるから、それを補うテクニックを使い「パワーが落ちたな」と思われないように歌っているところですね(笑)

そうなると常日頃コンディションに気を付けて整えたりと大変ですよね。

NoB:今まで歌に関してコンディションに気を付けたことは無いんです。人によっては30分とかそれ以上ウォーミングアップしてからステージに出る人もいるけど僕は何もやらないですからね(笑)
あまり言いたくは無かったけど最近はライブの中盤から調子が出てくる。それまでは最初からイケていたけど、知らず知らず身体が暖まるまでの時間がかかるようになったんだなと。昔は寝起きにカツ丼を食べれたし、そのノリで声が出ましたからね(笑)

以前レポートを書かせてもらったオサメタのライブはそんなことを全然感じさせなかったですけどね。

NoB:個人的には声ってそれこそガソリンのように消耗するものと考えているので、ウォーミングアップはする方じゃないですね。ウォーミングアップを30分、一時間とするとライブが始まった時点でガソリンが半分無くなっている感じになると思うんです。それって嫌じゃないですか?それだったら「エイッ!」っていっちゃえと(笑)

IMAJO:うちのYOFFYはウォーミングアップしっかりやりますね。

NoB:これは人それぞれだけどね。

IMAJO:今回曲を作らせていただくにあたって、「キーのトップはここまでにしてくれ」ってNoBさんに言われていたんです。それで曲に歌を入れてくれたものを聴いたらシャウトとか追加されたパートがジャンジャン入っていて、中には自分で言っていたよりも高いキーで歌っている部分もあり「流石だな」と思いました(笑)

NoB:それは飾りものじゃん(笑)これくらいならいくらでもイケちゃうけど決まり事ってそれなりにあって……

IMAJO:飾りと言いますけど決まり事との区別が全然わからないんです(笑)勿論NoBさんの中にはあるんでしょうけど。

30周年ライブでYOFFYさんが「天装戦隊ゴセイジャー(歌NoB、作曲YOFFY)のエピソードを話されてましたが、コロムビアの人と一緒に「NoBさんならキーがどれだけ高くても大丈夫」と共通認識で曲が作られたらしいですね。

NoB:それで今どれだけ苦労していることか!(笑)ずっと高いところを歌いっぱなしなんで喉かカスッカスになりますね。

アルバムについて

レコーディング参加されているミュージシャンについて全編ギターはIMAJO(PSYCHIC LOVER)さん、ベースでは寺沢功一(RIDER CHIPS、ex-BLIZARD)さん、今回ドラムは二人参加して一人がJOE(DAIDA LAIDA、ex-SEX MACHINEGUNS)さん、もう一人が藤井修(OSAMU METAL80s、ex-NO WHERE)さんという縁のある人達で固められているわけですが、どういった経緯で参加されたのですか?

NoB:理由を付けるとするならば「何で声をかけてくれなかったの?」と友達に言われちゃいますから………というか既に言われてますから(苦笑)

NoBのアルバムということで、ソロではあるんですけどIMAJOがパートナーになってくれることが決まってからいつもと違った味が出るな、と思ったんですね。そうは言ってもDAIDA LAIDAがあって、オサメタがあって、URUGOMEがあっての……という歴史があって出来上がった自分のスタイルなので、どこかにそのエッセンスがあるとファンも喜んでくれるかなと思ったんです。

いつもやっているメンバーとしてJOEと寺ちんに声をかけてドラムとベースは決まり、ギターはIMAJOが全部弾いてくれるになっていたのでギタリストの友達には「今回ごめんね」となりました。
DAIDA LAIDAからMASAKI(他にはCANTA地獄カルテットなど)が不参加なのはJOEとセットだとDAIDA LAIDAになっちゃうからで、オサメタからSHARA(EARTHSHAKERmintmints)さんはIMAJOがいるので寺ちんしかいない。修ちゃんは僕にとって人生のお兄ちゃん的な存在なので叩いてもらわないわけにいかないなと。

こうやって参加してもらう人を考えるのもバランスがあるので難しいですよね。本当は全部生でやりたかった曲もあるし、こういった兼ね合いを考えると全部打ち込みで良かったかなと思う部分もあるし。こればっかりは難しいですよ。

次回作のことを考えて今回はこのメンバーに参加してもらいました。一枚こっきりで終わるならこの質問にはノーコメントですよ(笑)

こうしてゲストミュージシャンが参加となるとファンとして期待してしまうのは、MAKE-UPやGRAND PRIXといった過去にやっていたバンドのメンバーの参加というものがありますが今後考えられますか?

NoB:物理的に無理ですね。既にミュージシャンを引退しているメンバーもいるし、色んな事情があるので。河野(陽吾)も36年来の付き合いなのかな?MAKE-UPの時からずっとヴォーカリストとしての自分をプロデュースしてくれていたところもあるので、今回彼に参加してもらったら「これまでとは違うNoBの作品を作る」という点において意味がないんですよね。出来上がりも想像出来ちゃうし、「今までと何が違うの?」というものしか作れないと思うので、こういうときは河野に離れてもらわないと新しいものが出来ないなと思いました。

今回の楽曲について

IMAJO:NoBさんの楽曲はもらったデモの段階でギターのリフだったり結構作り込まれていたんです。例えば僕がデモにあったギターのリフを変えてアレンジしたものを出すと「リフを戻せ」って言われて「勿論です!」と返したり、そんなやりとりしてました(笑)

NoB:(笑)戻せってそんな偉そうに言っていませんから(笑)これが難しいところで、自分で作ったデモの段階で曲のイメージが出来上がっているんです。それで曲の中に「そのままにして欲しい部分」と「IMAJOが格好良くしてくれるだろうと思って期待している部分」がそれぞれあるんですよ。結果、凄くハマる時と「それは違う………」という時両方あるんですよね(笑)

一同爆笑

IMAJO:メッチャわかる(笑)NoBさんからそういう指摘が来て「なるほどな」と変更すべきところは直していきました。それからは割りとトントン拍子に進んでいきましたね。

人によって作った曲のデモテープの作り込み具合が違うと思いますが、NoBさんの場合は作り込むタイプなんですね。

NoB:最近はそうですね。昔はそこそこのセット、ピアノだけだったり、ギターだけだったり、メロディーを聴いてもらうためにコードを足したもので良かったんですけど、今は「これそのままで良いんじゃないの?」という位のクオリティのデモテープを作らないとスタッフやメーカーの人達にジャッジしてもらえないんですよ。アレンジありきで曲の判断をされてしまうんです。メロディーだけで考えたら大したこと無いんじゃないの?というものでも、アレンジや音が超格好良いと「凄く良い曲」の扱いになるんですよ。
これだけ作り込むのも曲のイメージを伝えるためでもあるので、その後の作業は早いです。

デモテープの作り込み具合は完成度7、8割位ですか?

NoB:そうですね。もっと格好良くするためにアレンジャーに渡して、残りの何割かを引き上げてもらいます。その結果120%のものが出来上がるときもあれば、さっき話したように変えないで欲しいところが変わってしまうこともある。これは僕とIMAJOの間だけでなくて、どこにでもある話なんですけどね。

アレンジャーの仕事は作曲と同じくらいの大変さがあると聞きますが、実際はどうなんでしょうか?

IMAJO:物量ですね。例えば僕の場合は家でギターからベースから弾いてレコーディングし、リズムトラックや鍵盤を打ち込んだりするので。

NoB:時間的にも大変だよね。

IMAJO:それでも聴いてくれた人に伝わるものが作れたらと思えばこそです。実はNoBさんのアルバムのアレンジをすることになったときプレッシャーを感じていました。やり始めたら作ることに集中しちゃっていましたね。

曲作りはいつ頃から始めたのですか?

NoB:曲は結構ストックしていました。僕は色んなコンペに参加しているので。それで凄く気に入っているのに採用されなかった曲もありました。その中に「この子は手放すものか!」という曲があったりね。そういう「ここで出さなきゃいつ出すんだ!?」と思っていたタイミングでアルバムの話が来たので、そのままの形で出したものや、リメイクして収録しました。

因みに一番古い曲はいつの曲ですか?

NoB:皆ほぼ同時期に作った曲で2、3年前に作った曲かな。

IMAJOさんの曲はどう作られていったのですか?

IMAJO:始めにコンセプトをいただいたんです。AとBの二つのコンセプトだったんですけど、Kackyさんと二人で話しあって僕がB、KackyさんがAとそれぞれが作る曲の方向性を決めてから分かれて作りました。作業を進めていくうちにコンセプトCの曲も作ろうとなって、それは僕が作っています。あとはNoBさんのイメージするものを聞いて進めていった感じですね。

NoB:どっちもどっちだよね。顔合わせて作業する良さや楽しさもあるから、一緒にやれない寂しさがあるし。

IMAJO:今回一度もスタジオに行っていないんですよ(笑)全て家で作業して戦っていたので、直しがあっても家でやっていました。NoBさんの歌はスタジオで録っていましたけどね。

NoB:歌はKackyとああでもない、こうでもない、と録っていたんですけど、IMAJOはその間一日も来ていませんからね(笑)

IMAJO:言い訳なんですけど、他の仕事の都合もあって物理的に行けなかったんです。僕もスタジオの雰囲気好きなので行きたかったんですよ!生意気にもNoBさんの歌のディレクションとかやりたかったし。

Kacky:全部終わってから来たよね(笑)

NoB:打ち上げのときだけね(笑)

IMAJO:PSYCHIC LOVER以外にもサポート仕事が重なっちゃって………

NoB:俺よりも大事らしいですよ(笑)

IMAJO:全然そんなんじゃないですよ(泣)

ここでパートナーのIMAJOさんからアルバムの聴きどころ、ギタープレイなどを聞きたいと思います。

IMAJO:今回はギターは勿論なんですけど他の部分で色々と練ったり、気を張っていましたね。ギターはいつも通り、と言ったら誤解されるかもしれないけど自分の一番得意としている楽器なんでイメージするものを形に出来たかなと思います。頑張った他の部分についてはシンセの音色だったり、生で録らなかった曲の打ち込みのベースやリズムトラックのバランスを考えてやりましたね。どれも一聴すれば「IMAJOがやっているな」というものになっているので、NoBさんが仰るロックテイストに沿った音色、プレイをしたからギターもロックしていますよね。曲に合わせて変えていますが。

ギターソロも音重ねてハモらせていたりと、ハードロックの様式美が感じられますよね。

IMAJO:あー、僕が良くやるやつですね(笑)やはり当たり前のことなんですけど、全曲アレンジをすることになっていたので同じフレーズとか被らないように意識しましたね。ただ今回不思議と似通った曲が無かったんですよね。どこまでを似ていると言うか難しいんですけど、全部が全部結構違っていて「あ、これさっきやったな」というプレイが無くて、わりかし自然と全然違うものがでてきました。

ロックなサウンドでもNoBさんの曲はメロディックというか、ロックというとワーッと激しいものをイメージするかもしれないけど、ちょっと懐かしい雰囲気もありつつ、コード進行も含めて色んな世代の人が気に入るアルバムだと思う。メロディーが凄い綺麗なんですよね。

サウンドについては今の音で作られていますよね。

IMAJO:聴いたときに懐かしいものにしたくなかったんですよ。往年のジャパメタサウンドじゃなくて、音数が多いとか少ないとか、それが良いか悪いかは別として、一つ一つの音のクオリティを高くすることに注力しました。例えばドラム、ベース、ギター、ヴォーカルという4つの構成だったとして、それが出来ていないと形にならないですよ。
今発売されている音源に使われているシンセの音はクオリティ高い反面、データ量が多くて重いんです。シンセの音源ソフトだけで60Gとかになりますね。そういうのを駆使してパズルのようにはめ込んでいく感じです。あとはエンジニアさんの力が大きいです。

やはりヴォーカリストのソロアルバムということで歌を意識して作られたと思うんですが……

IMAJO:それはもう滅茶苦茶意識しました。レンジ的にも「ここにヴォーカルが入るかな?」と考えていましたし。ただNoBさんのヴォーカルって、僕だけが思っているのかもしれないですけど、楽器みたいなんですよね。普通のヴォーカリストがハマるような中域の部分だけじゃなく、もっともっとレンジのが広いです。NoBさんのハマる領域を考えて、そこにギターを入れるのは止めようと思っていたら「ギター入れてよ」と言われたり(笑)そのバランスは最終的にエンジニアさんが調整してくれるんですけどね。

今回一緒にアルバムを作って改めて感じたNoBさんの歌の魅力などあれば教えて下さい。

IMAJO:僕がオケを作ってNoBさんに送ると、歌が入ったものが返ってくるんですが、歌が入る前とでは世界が変わるんですよね。オケが完成した時点で歌が入った後の完成形が大体想像つくんですけど、曲によって色んなカラーがあると思うんですが、出来上がったものがその想像を超えてくるとかじゃなくて、NoBさんのカラーに仕上がっちゃうんです。それが出来るヴォーカリストって居そうで居ないと思うんですよね。NoBさんも曲によってコーラスを沢山入れてきたり、コーラスアレンジしたり色々駆使して作られています。またNoBさんの教え子がコーラスに参加されていたりします。NoBさんのヴォーカルはやはり強烈なので日本だけでなく海外の人にも聴いてもらいたいですね。日本の財産ですよ。

NoB:困るな~君ぃ~(笑)

IMAJO:ちょっとお世辞入ってますけどね(笑)でも本気でこの歌が、これだけ世界と繋がっている時代に日本だけでしか聴けないというのは勿体無いと思います。

IMAJOさんが参加されている時点でPSYCHIC LOVERファンの関心も高い作品ですが、ファンが喜びそうなところはありますか?

IMAJO:PSYCHIC LOVERはYOFFYが曲を作り、そのギターを僕が弾くという形が多いんですけど、今回はサウンドプロデュースの部分までと深いところまで参加しているのでIMAJO成分が多い分それを楽しんでもらえるんじゃないですかね?もしかしたら手癖でPSYCHIC LOVERみたいなフレーズがあるかもしれない。

NoB:俺だってDAIDA LAIDAみたいなの入りまくりだよ(笑)

ここで一曲ずつコメントをいただきましょう。
先ずはオープニング曲の「Shades of love」から。

NoB:「NoBと言えばこれでしょう!」というものを探して突き詰めたらこの曲に辿り着いた、という感じですね。

歌い出しもフォークのように言葉を詰め込んだメロディーでNoBさんらしさを感じます。

NoB:そこは考えていた部分ではなくて、最近の自分の傾向なんだと思います。寧ろMAKE-UPとかGRAND PRIXの頃だったらこんなに譜割りの詰めた歌い方はしなかったと思いますね。それは多分35年歌い続けてきて、変化してきて今に至った結果だと思います。

譜割りの詰めた歌い方は音楽にのめり込むキッカケとなったフォークの影響ですか?

NoB:音楽の世界はそこから入っているんですけどフォークの影響ではないです。当時ロックの場合は一音符一文字だったの。それが美学だったんですけど現代ではダサいものとされちゃうんです。今のロックのスタイルとして英語のように一発音一音符みたいな、例えば「しない」だったら「ない」を一音符にして歌っちゃうんです。昔だったら「し」「な」「い」と一音ずつ歌っていたと思う。今の時代に後者のように歌っちゃうと古いもの、ダサいものになっちゃうんです。ハードロック自体は古いスタイルになるんだけど、例えばAEROSMITHはサウンドであったり手法において「今格好良いもの」を取り入れてますよね。僕も時代と共にその時格好良いものを作っていきたいと思っています。

仮に一文字一音符で歌っていたとしたらロンドンブーツ履いて、裾の広がったベルボトムのパンツ履いて、髪の毛を無造作に伸ばした、そんな格好で外を歩くようなもんですよね(笑)

歌もNoBさんがフェイバリットに挙げるDavid Coverdaleのように歌い上げるもので熱いです。

NoB:それを言っちゃ駄目だと思う(笑)Robert Plantが歌うBlack Dogだったり、王道のロックをソウルフルに歌い上げるパターンAですね。

IMAJO:実はBPMがあと5速かったんですよ。NoBさんが「もう少しテンポ落としてくれ」と言ったのでリズムが重過ぎるんじゃないかと心配したんですけど、歌が乗ったら全然そんなことなくて。歌詞とか歌の力は凄いなと思いましたね。

二曲目の「No Regret」はDAIDA LAIDAのテイストを感じたのですが、この曲はどういうコンセプトなんですか?

NoB:DAIDA LAIDAっぽいとしたら皆で歌うようなパートがあるからですかね。こういう言い方が正しいのかわからないけど、ミーティングをしたときに今回のアルバムに「今の若い子が格好良いと思ってくれる曲」を入れようと考えていて、それでこの曲を作りました。今風のリズムがコロコロ変わったりとか、サビ直前でシャウトしたりというのをKackyにお願いして出来た曲ですね。

Kacky:最近は色んなエモ系のバンドがいると思うんですけど、王道のロックというよりは急に止まったりとか静かなところではギターのアルペジオだったり、色んな少しの捻りを入れた曲構成で考えていて、サビで一発盛り上がりたいというのが俺の中にあったので、ライブで全員で合唱して盛り上がると良いなというパートを作ったりしました。

確かにサビのコーラス部分ではバンドメンバーがコーラスして、客席も一緒に歌う、そんな光景が浮かんできます。

Kacky:最近のエモ系バンドというとONE OK ROCKだったり、My First Storyというバンドが浮かんでくるんだけど、そういうヘヴィロックな部分にミクスチャーの要素が合わさってというイメージで作り、ただそれに寄っちゃうとNoBさんらしさが無くなるので「NoBさんが歌ったらどうなるか?」を凄く考えました。結構歌のレンジが広くて、サビが映えるようにおどろおどろしいAメロとBメロがあり、サビがあってブレイクしたところでリバースシンバルが入ってドカーンと弾けていく、という感じですね。

このように捻りが入った曲を歌ってみた感想は?

NoB:Kackyのサビの作り方にそういう意図があったのかわからないけどNever Regretという言葉がすぐに浮かんできて、「Ne Ne Ne Never Never Regret」というパートが出来たんですよ。特に苦労しないまま歌詞が出来たので、出来るべくして出来た曲だなと思いました。

IMAJOさん作曲の「メビウスの歯車」はバラードではないけど歌い上げるNoBさんの歌が魅力的ですが、同時にポップでとても聴きやすいです。これまでのNoBさんの曲に例えるとP.A.F.の「I`M SO BLAH~“omboro knight”no yume~」を聴いたときのような爽快感がありました。

NoB:元々のアイデアとしては古くからある王道のロックです。それこそ70年代にあってもおかしくないような曲を今風に仕上げようとIMAJOと話をして作ってもらいました。このイメージがあるのでソウルフルに歌ってしまいますよね。

IMAJO:僕が曲を作るとキャッチーなメロディを書くことが多いんですけど、やっぱりサビがそうなりましたね。NoBさんが仰るようにコンセプトは勿論あったんですけど、そのままに作ってしまうと昔のロックになってしまうので、エッセンス的に変わったコード進行を取り入れたりとその点は気にしながら作りました。
それで僕個人の中でどちらかというとロックと日本語は合わないなと思っていたんです。でもそれを覆して「日本語がロックにハマるんだな」と思わせてくれるNoBさんのヴォーカルは凄いと思うし、そういう人は中々いないと思うんですね。そういう意味でもこの曲の歌詞が英詞だったら70年代のロックそのままだったでしょうけど、日本語の語呂感が英詞とは別の印象を作っていながら曲がロックしているのは凄いなと思います。

NoB:それはさっきの詞の話じゃないけど35年研究してきた結果だよ(笑)作詞というのはサウンドにおける要素が大きいじゃないですか?英語っぽく聴かせようと思っていた時もあったけど、そう聴かせてもダメなんだという結論に至りながら英語っぽく聴こえても良いか、と思ったりと二つを行き来してバラバラなんですが、今は聴感上格好良いのが一番だという結論に至っています。
またバラード以外でこの曲が一番ヴォーカルのテクニック全てを使っているのかもしれないです。

IMAJO:最初Aメロは1オクターブ上で歌うだろうと思っていたんですが、予想に反して下のキーで歌われていたので「そう来たか!」と思いましたね。このレンジ感は凄いよね。

NoB:あそこは俺も考えたよ!IMAJOは絶対上のキーで考えていることは感じていたけど。

次の「Paranoia Blue」はNoBさんお馴染みのタイトルにBLUEが入った曲ですが…

NoB:永遠ブルーがあるし、分かる人が分かれば良いかなと思って付けました。僕がタイトルにBLUEを入れたのはこれで多分5曲目くらいで、僕の中で実はシリーズものになっているんです。

過去には「Replicant Blue(MAKE-UP)」、「永遠ブルー(MAKE-UP)」、「Tiger’s Blue(DAIDA LAIDA)」「MISSING BLUE(M.T FUJI)」とあります。

NoB:Paranoia Blueで5曲目だね。ここまで知ってる人は珍しいと思いますよ(笑)今挙げられてM.T FUJIのこと思い出しましたから!

一同爆笑

NoBファンはこのタイトルに反応してしまうでしょうね(笑)そして曲調的にはロックであるものの、アングラ感や武骨さは押さえられていてアニソン的な親しみやすさ、キャッチーさを感じたんです。なので特撮・アニソンファンに向けて作られたのかなと思いました。

NoB:そう考えていた訳じゃなくて、寧ろNo Regretと同じで若い子も格好良いと思ってもらえる曲、通用するロックというのがありました。そしてこの曲は僕の教え子が書いた曲なんです。世代的にも僕らとは違う感性なのでそれを取り入れようと思いましたし、今回の狙いと合うなと思いました。

IMAJO:アニソンのようだと言いましたけど、アニソンがロックを取り入れているので逆なんじゃないかな?と思うんだけどね。

NoB:感覚としては自分達のやって来たロックがアニソンに使われているだけなんだけどね(苦笑)

IMAJO:結局アニソンを手掛けている人はロックをやってきたスタイルの人達だが多いですからね(笑)

作曲の渡辺好洋さんは他にも曲を発表されていたり音楽活動はしている人ですか?

NoB:作曲者としてはこれがデビュー作です。他にはDAIDA LAIDAの曲などでキーボードを弾いてもらったり、アレンジャーとして手伝ってもらっています。若い頃はヘヴィメタル好きでロックをやっていたみたいですけど今はロック系じゃないアコースティックのユニットをやっているみたいですね。作曲家に専念するようになってからはアレンジの勉強したり、女性ヴォーカリストの後ろでキーボード弾いたりといった活動をしているようです。

続いては「Unison」ですが、NoBさんのルーツである70年代のハードロックの香りプンプンでアルバムのテーマとは少しずれたアプローチの曲だなと感じました。

NoB:自分のルーツがモロに出ていますよね。個人的にアルバムでIMAJOが手掛けたアレンジの中でこの曲がMVPです。それぐらい良いんです。そしてこの曲は俺が歌わなきゃ誰が歌うんだ?と思っているんですよ。

IMAJO:確かに。

NoB:色んなタイプのヴォーカリストがいますけど、このタイプの曲を歌うなら俺でしょ!と言わせて欲しいです。聴きようによっては暑苦しいと思います(笑)好き嫌いが別れる曲だと思いますが、それでも良いと思っています。

NoBさんのファンが求めているものの一つがこの歌だと思います。

NoB:僕の中ではプロデビュー曲Runaway From Yesterdayの続編というか、アンサーソングというか、35年後のRunaway From Yesterdayなんです。だからこんなに暑苦しくても良いんです。

IMAJO:アレンジって基本的に作曲者からもらう素材はワンコーラスなんです。それを元に2番を作り、間奏を作り、最後のサビを作って後奏を作るんですが、この曲はギターソロの前にDメロがあるんですよ。それで作ってみたものをNoBさんに聴かせたら「そうじゃない、この曲は思い入れがあるから今から作って送る」と言われて、それがすぐに届いたんですね。この時話していた思い入れってそういうことだったんですね。
要所要所で「分かる人が分かれば良いや」というネタがあるので注意深く聴いてみてください。

NoB:(ギターソロを聴きながら)山本恭二さんかも……

IMAJO:倍音が好きなんですよ(笑)

曲に漂う哀愁は日本語詞というのも手伝って歌謡曲的に聴こえる時もありますね。

NoB:僕の歌は歌謡曲の影響ありますから!西城秀樹さんが亡くなられて改めてそう思いました。影響を受けたのはRod StewartとかDavid Coverdaleと言っていますけど、やっぱり始まりはジュリー(沢田研二)と西城秀樹じゃん!と思いましたね(笑)

IMAJO:カラオケへ行ったらジュリーしか歌わないですよね(笑)

NoB:今年は秀樹しか歌わない(笑)やっぱりフォークソング然別、ジュリーや秀樹を格好良いと憧れて音楽の世界に入ったんだと思います。

IMAJO:(音源を聴きながら)この度は後奏はNoBさんにお褒めいただきまして(笑)好き勝手に弾いているんですが。

NoB:この転調はMVPですよ!それで歌謡曲と言ってもジュリーと西城秀樹はロックのテイストがあったから好きなんですよね。やっぱりこの二人はロックに繋がっているんだなと思います。

それに続くのはIMAJOさん作曲の「時の旅人」。

IMAJO:出だしのシャウトを聴いてくださいよ!聴いたときビックリしちゃって、音符がどこにあるんだっていう(笑)

一同爆笑

NoB:超音波だからさ(笑)

この曲は歌詞がストレートですよね。

NoB:アルバムを作るときにKackyと「アニソンファンが無視出来ないようなものにしよう」と話をしていたんだよね。歌詞は凄い悩んだ。そうは言ってもアニソンとロックの違いって歌詞のような気がするんですよ。やっぱり自分のことを世に知らしめたのは聖闘士星矢じゃないですか?それで聴く人が聴いたら「星矢のことを歌っているんだよね?」って分かる曲を入れようと思って入れたのがこの曲なんです。この歌詞のストレートさ、分かりやすさこそアニソンだと思います。

IMAJO:アニソンは誰が聴いても分かりやすく、というのがありますからね。

この曲を聴いていたらGRAND PRIXのMy Sweetest Heartの歌詞を聴いたときのようなピュアな、純粋な頃の気持ちを思い出しました。

NoB:あれこそフォークソングですよ。26歳の時に15歳の時の初恋の歌を歌っているので。歌詞もストーリーになっていてリアリティです!逆に時の旅人はファンタシーです。

IMAJO:そういう個人的な郷愁を思い起こさせたというのは作曲した身として嬉しいですね。楽器だけのキメのメロディーの部分があるんですけど、予想もしなかったNoBさんのヴォーカルが重ねられて戻ってきたのでこの曲については驚かされてばかりです(笑)

最後は「UNTITLED the song」ですがこの作詞はNoBさんではなく、小金井絢一さんなんですね。

NoB:歌じゃなくて作詞専門の弟子なんです。DAIDA LAIDAでも共作で何曲か書いているんですが、今回のソロアルバムでは一人で書いてみて欲しいと思い、出来上がったのがこの曲。凄く才能のある子なので、作った詞で良くないなと思うところがあったときはボロクソに言いますけどね、僕も。そうやって10年かけて仕込んだ弟子です。作詞に関しては僕の全てを教えたと思います。それで僕には持っていないものを彼は持っているので是非彼の言葉を歌ってみようとなりました。

IMAJO:この曲のギターのリフはNoBさんが作ったものをそのまま採用しています。メインのリフだからそこに少し音を足した方が良いと思ったので、少しシンセを重ねています。僕的にはこの曲が一番印象的でした。

Kacky:選曲しているときに確かこの曲が一曲目になるかもしれなかったんですよ。まだ曲名が決まっていなくて仮タイトルしか無かったときに……

NoB:ハネアマゾンね(笑)

Kacky:そうそう(笑)それでこの曲がアルバムの一発目に持ってきたら良いなと思っていました。

IMAJO:サビとか凄い歌謡曲っぽい流れになっているんですよね。コード進行とかもそうだし、それこそさっき話に出たジュリーさんを彷彿とさせるものがありますから。僕の知り合いのアーティストさんにたまたまお会いした時、聴いてもらったら「凄い好き!」と言っていただいて、色んな人に刺さる曲だなと思いました。

曲を聴いていて思ったんですけど、歌謡曲っぽさを持ちながらJ-popという言葉が生まれた90年代の邦楽のエッセンスがありますよね。サビ前のオケヒットとか聴いてて特にB’zファンとかBeing系の音楽が好きな人は一発で気に入ると思います。

NoB:16ビートにハードなギターが乗っかっていたら気に入るかもしれないね

偶然ですが、バックの音が静かになってギターソロが展開されるところとかもそれっぽい雰囲気がありますよね。

IMAJO:俺ね、このソロすげー好きなの!

NoB:これね、松本孝弘が良くやりますよ。URUGOMEでもこのパターンやっているもん!

IMAJO:それで改めて思ったんですがこの曲のメロディーって良いですよね。のバックに入っているストリングスとか凄い好きで。あまり聴こえないんだけどね(笑)良いヘッドフォンで聴けば色々聴こえるんじゃないかな。

NoB:ぶっちゃけ歌謡曲だよね。

IMAJO:だからこのアルバムってサウンドこそはロックですけど、バラエティーに富んでいますよね。

そうですね。インタビュー前に音源を繰り返し聴いていたんですけど、その度に新しい発見があって凄くワクワクしながら聴いていました。今後の予定として既にSNSで東京と大阪でのライブが発表されていますが、他にも何かしらのニュースを期待しても良いですか?

NoB:イベントとかやるかもしれないけれど、今のところはこの二本だけですね。

ライブのサポートメンバーも解禁されていて、面白いのが東京でのベースが寺沢功一さんで、大阪だと寺沢さんの息子さんである寺沢リョータさんがベースをやられて、親子でサポートすることになっていますが何かしらの意図があったんですか?

NoB:両方とも寺ちんが出来れば良かったんですけど、スケジュールの都合で大阪のライブはダメだったんです。でも代役が息子だったら寺ちんも許すかな?と思って(笑)

息子さんとは既に面識もあり?

NoB:もうこんなくらい(と小さい子供のジェスチャーをする)の頃から知っていますから(笑)一緒にキャンプ行ったりしましたし。

寺沢さんとは同期ですしね。

NoB:そう!歳も同じだし、デビューも同じ年だし。

そんな寺沢さんの息子さんだからどういう人なのか知っているし、ベースも任せられると!

NoB:大阪のライブは皆得するんじゃないかな?寺ちんのファンも(笑)

IMAJO:確かに(笑)これってファンにしてみれば二度美味しいですよね?ファンとはいえその息子さんのライブを見に行ってみよう、となることそうそうないですもんね。

NoB:それで今回のライブは寺ちんの息子が参加するので二世代に渡るんですよね。目指しているのは、年齢を感じさせない現役のミュージシャンであることをファンに見せることです。若く見せてもそれが痛々しかったりするときもあるじゃない?そうなるのはアウトだから、そうならないような年を重ねても綺麗でお洒落にしてその時の色気を出せたらと思います。僕らミュージシャンに例えるとしたならAEROSMITHのSteven Tylarや、Jon Bon Joviなんかは年相応で一番格好良い自分を打ち出しているじゃないですか?そこなんです。

東京が8/18(土)両国SUNRIZE、大阪が8/4(土)日本橋J.Bridgeですね。

NoB:両国はこれから店長になる人が教え子で、オーナーがKackyの教え子なんだよね。となったらもうここでやるかないよね(笑)大阪も日本橋にあるので普段は地下アイドルとかアニソン系のライブをやっているところなんだけど、そこのオーナー夫婦には凄く可愛がってもらっていたので、今回はソロだし外せないなと思って決めました。

ライブではアルバムの曲は勿論ですが、前作1stの曲などをやる予定はありますか?

NoB:やりません!……とか言いつつやったらビックリするでしょ?(笑)でもまだ何をやるとかは決まっていないです。今回のアルバムの曲は勿論やりますが、それだけでは時間が足りないので、聖闘士星矢みたいな自分の名刺代わりの曲はやるでしょうね。

オサメタみたいにカバー曲を入れたりはありますか?

NoB:どうなんだろう?NoBのライブなのにカバーで茶を濁したくはないかな。デビューしたてでもないし、自分の歌った曲が何百曲もあるのにわざわざカバーすることあるかな?という気もします。

それでは他のアーティストさんに提供した曲のセルフカバーはどうですか?

NoB:Armor Zoneはやりますよ!今映画をやっていて旬だから(笑)

IMAJO:そういう今の自分を提示していくの良いですね。昔を掘り起こすのって良いと思うんですけど、懐古趣味になっちゃう。そうなったら寂しくなっちゃう。

NoB:例えば音源化されていないもので舞台キャプテンハーロックの劇中歌とかやっていたんですけど、そういうのをやってみた方がウケるかなと思ったり、その辺はこれから考えていこうかなと。

レコーディングに参加したJOE(DAIDA LAIDA、ex-SEX MACHINEGUNS)からコメントをいただきました。

JOE:小さい頃からスーパースターであるNoBさんのアルバムに参加させて頂き、光栄すぎて最高です。すべてを支配してしまうNoBさんワールド♪一人でも多くの方々に届くことを願います!

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