ZYYGは1993年に高山征輝(Vo)とZARDなどに楽曲提供をしていた栗林誠一郎(Ba)により結成され、『君が欲しくてたまらない』でデビュー。1994年に後藤康二(Gt)と藤本健一(Dr)が加入。その後栗林が脱退し、入れ替わりに加藤直樹(Ba)の加入が発表され、ここに不動のラインナップが揃う。そしてリリースされたTVアニメ「スラムダンク」の主題歌『ぜったいに誰も』がヒットを記録!精力的にライブや音源のリリースをしていたが、1999年に解散の道を辿る。そして2006年に一夜限りの復活ライブを経て遂に2019年に再結成が発表された。
今回メンバーにはメールでのインタビューに答えていただいたが、今後の活動についても匂わせているポジティブな発言もチラホラ。夏のライブが益々楽しみである!
Vo 高山征輝
【1】1999年に解散後、現在に至るまでどのような音楽活動をされていましたか?
高山:2006年の大阪hillsパン工場でのLIVEを最期に音楽からは離れようと思いました。
以前からそうでしたが、LIVEやrecordingで自分の歌を聴く度にダメ出ししてて…。心の中で「またKNOCK OUT食らっちゃったなぁ」が口癖ではなく心癖?になってた。だから大阪でのLIVEはオレにとってはひとつの賭けでもありました。
少しでも自分の理想のスタイルに近づけたら続けよう。でも結果的には納得出来なくて…。それで1番好きなものから離れようと。1番自分が得意としているものを脱いだ時、オレ自身何が出来るんだろうって。第2の高山征輝探しをしてた気がします。
そんな中、後藤から活動再開のメールが届きました。
でも今思えば、ただ「もう1度ZYYGやらないか?」だったら断っていたかもしれない。彼が言ってきたのは「ZYYGをこのまま歴史に葬るつもりか?」だった。なんだか彼らしいなと。その言葉に心が動かされた。
後藤:1999年 活動終了した当時の背景や、メンバー個々の「決意」は今想えば様々だったと思います。後藤もZYYGでのプロキャリアを通して、Kidsから夢見てた沢山の「Rock’n Roll Dreams」が叶いました。そんな中はっきりと決意したのは「コンポーズ(作曲)」を極めたい…でしたね
パブリックな「ROCK」はベーシックにありつつ、ただその反面センチメンタルでアコースティクな、音楽家としてのアナザーサイドも追求したい、と。だって自宅のレコードラックには「Iron Maiden」と「さだまさし」さんが一緒に並んでますしね(笑)
そこからは、ガムシャラなクリエイティヴLifeがスタート。
2004年には自身のプロジェクト「ck510」も立ち上げ、15周年記念に自身初のソロAL「ck510 SOFA Listening」を制作しました。
沢山の出会いとチャンスに恵まれ、自身にとって想い出深いエポックメイクな作品、愛内里菜さん『Sincerely Yours』、映画NANA2劇中歌でもあった伊藤由奈さん『Truth』、SKE48さん『強がり時計』、乃木坂46さん『ガールズルール』、AKB48さん『池の水を抜きたい』、そして稲垣潤一さん、水樹奈々さん、リュ シウォンさん、BAND-MAIDさん、BOYS AND MENさん…
ホント蒼々たる皆さんと作品をご一緒させて頂きました。
ただ、ただ…ずっとずっと胸を熱く焦がしてたのは「ROCKへの衝動」つまりZYYGへの想いでした。自分でもビックリでしたね。
ちょうど2年前の秋、誰のスタッフにも相談せず勝手に(笑)個々のメンバーひとりひとりに連絡をし再会をし、サシで「ZYYG再始動」を口説こうと決心したんですよ。
ひとつだけ自分に言い聞かせる様に決めた約束事「もしメンバー誰かひとりでも難色を示したら一切を諦めよう」と。ずっとドキドキ胃が痛かったですね。
最初に都内の居酒屋で再会したのはBaの加藤直樹「いきなり後藤どうしたの?」と怪訝そうでしたね。「空白の時間を埋めるのはやっぱ音楽かな」とヤツも普段呑まないグラスで乾杯しました。
そしてDr 藤本健一、彼とはZYYG以降も音楽の交流のある腐れ縁、セッションドラマーとしての活躍は、ずっと励みだったし誇りだったし「いっつも後藤アレコレ連絡してくるけど、今度はZYYG?? ヘェ~面白いやん~」と想定内!?のハイタッチ。やけにBeerが美味しかった。
最後は Vo 高山征輝(笑)何をどう伝え想いをぶつけて良いか。彼にとっての「ZYYG」は当然後藤とは別の「大義」を持ってるのは明白。まずはメールにしたのは(笑)そんな理由でした。
「まずは会おうか」そして「いつか後藤が言い出すんじゃないかと予感してた」とも。ホント嬉しかったです。
そんな偶然なんだか必然なんだか、嬉しい戸惑いの中、昨年2018年夏ボクのスタジオでホント久々に4人で再会しました。予想通り、それ以上に不思議な感覚でしたよ。エエおっさんらのギコチナささえも心地良くってね。嬉し過ぎてまたBeerを飲み過ぎちゃいました。
こうして2019年、僕ら4人はまた走り出す決意を重ねました。音楽の神様に感謝です!!
加藤:2006年大阪Hillsパン工場のLiveを最後に、ベーシストとして表立った活動はしていませんでした。もうベースも手にせずに音楽からは離れようということではなかったのですが、一旦区切りをつけたかったのかな。
その間は全く別の事をやっていましたが、そんなある日突然、後藤から「飯でも食わん?」って電話がかかってきて、高田馬場の居酒屋で会うことになりました。「久しぶり~乾杯!」って一口飲んでから、「ZYYGやらへん?」っていきなり言われたんですよ。最初はびっくりしましたが、「やろう!」って返事したんです。ただ、メンバーそれぞれ以前とは違う生活があるわけですから、足並み揃えて動き出すまで少し時間がかかりました。
そして今こうして同じ時間を共有できることを、とても感謝しています。
藤本:まず 僕は解散後 いろんな音楽の現場で自分一人で 何ができるのかという点にフォーカスしてとにかく音楽の側にいるということをいつも思って活動してきました。
2000年にSUPER POP MECH@NICSというバンドを結成し、2004年には日本が誇るキーボーディスト永川敏郎さん率いるGERALDに加入しました。他には様々なアーティストさんのサポートをしてきました。MCUさんやbaroqueさん、山根康広さん、ANTHEMの森川之雄さんと元Preciousの梶山章さんのGOLDBRICK、Joe Lynn Turnerさん(Fandango、Rainbow、Deep Purple)、Sound Horizonさんにゲームやアニメの仕事をしましたし、後藤と二人でシンガーソングライターのアツミサオリさんのサポートをしたこともありました。
そんな中、自分の音楽史25周年ということもあり今一度自分の音楽史をきちんと認めたいと思っていたところ後藤から再始動の話を伺い、これも何かの不思議な縁かなと思い決意しました。
Gt 後藤康二
【2】ZYYGの好きな曲を教えてください。
高山:特にこの曲って言われるとあれもこれもになってしまう。ただ『君が欲しくてたまらない』は好きというより印象深い曲だなと思う。あれを聴くとデビュー前後の出来事を思い出すし。
後は、『最初で最後のLove Song』。これは自分で機材揃えて打ち込みとかSoundmakeをやりはじめた頃で、メロディーラインも好きなラインで気に入ってる曲のひとつです。
後藤:好きな楽曲(笑)決めれないですよ。ただ『Dreamer』が今回の再始動、ずっとずっと自身の背中を押してくれてたのは確かです。
7月開催の復活LIVEのタイトルが「Dreamers」なのも感慨深いし、ギタリストとしてRiffもコードワークもSoloもパーフェクトですね(笑)
加藤:どの曲もレコーディングの際の思い出があるから一番は選べないけど、自分にとってのZYYGの始まりが『ぜったいに誰も』だったから、この先ずっと忘れられない曲ですね。
藤本:そうですね。絞るのは難しいのですが やはり「NOIZY BEAT」以降は自分達でスタジオでアレンジをしたものを、さらにディレクター交え進めていくという形ができたので 全て愛情深いです。『POOR BOY』なんてどんどんBPMも早くなっていったりして今苦労してますよ(笑)
Ba 加藤直樹
【3】自身が影響を受けた音楽はなんですか?そのきっかけや理由を聞かせてください。加えて最近聴いている音楽や良いなと感じた音楽もあれば教えてください。
高山:両親がいわゆるビートルズ(The Beatles)世代で、生まれた時からビートルズやローリングストーンズ(The Rolling Stones)、カーペンターズ(Carpenters)等が常に家の中で流れてる家庭だった。父親も若い頃バンドやってたらしく、一時はシナロケ(シーナ&ロケッツ)の鮎川(誠)さんともやってたらしい。
だから、そんな環境に1番影響受けた気がします。そして13歳の時に学校サボって家でTV観てた時に矢沢永吉さんのCM観て、成り上がりを読んでオレもバンド組んで東京行く!みたいな(笑)デビューしてからは色々な物を聴いてました。
今は逆にあまり色々な物を聴かないようにしてます。ただ最近、ラジオで流れててカッコイイ!と思って聴いたのが北海道出身かな?ノイズメーカー(NOISEMAKER)。ホントにカッコイイ音出してるなと思った。
やっぱロックバンドって音源聴いてLIVE観たいと思われないとウソだと思う。彼らのLIVEは本当に観たいと思った。
後藤:ルーツを遡れば The Beatles…Paul McCartney 来日ドーム公演は東京大阪 4回観に行っちゃいました(笑)ROCKはQUEEN、Van Halen、あと日本ではBLIZARD、松川”RAN” 敏也さんは永遠のギターヒーローです。
AcousticではPaul Simon、John Denver、そしてさだまさしさん!ご挨拶が叶い、頂いたサインはずっと宝物です。
最近は(職業柄たくさんリサーチはしてますが)Bruno Mars、先日来日したJohn Mayer、あと空前のQUEEN再ブームは、頑固なコアファン故に嬉しい反面ちょっぴり複雑ですね(笑)
加藤:小学校3,4年のときにたまたまTVのCMで流れていた、ビートルズの『Please Please Me』を聴いたのがきっかけですね。格好良くて衝撃が走りました!父親が持っていたレコードの中にビートルズが何枚かあって、時間さえあれば毎日聴いていました。友達にもビートルズを知っているやつがいて、いろいろ話しているうちに、「バンドやろう!」ってことになり、ベースをやることになったんです。それが中学2年のときでした。ビートルズやIron Maidenをコピーしていました。
最近はベース&ドラムのユニット「Royal Blood」や、クリエイター集団の「supercell」が格好良いです!Royal Bloodは2人でも分厚いサウンドで「すげぇ~!」って感じ。supercellはとにかくお洒落でアニメのキャラクターごとに曲をつけたりと、すごい方々ですよ!
藤本:もともと 中学・高校生の頃にハードロックが好きでモトリークルー(Motley Crue)やボンジョビ(Bon Jovi)、ANTHEMやXなど、今の自分のルーツとなるものはその辺りにあるように思います。そう言った点ではRainbowのJoe Lynn TurnerさんのジャパンツアーのサポートやYoshikiさんにお仕事でご挨拶させていただいたり、GOLDBRICKのRecに参加させていただいて、森川さんと一緒にステージに立てた時というのは背中を追い続けてきて良かったなと音楽の神様に感謝しました。
またSound HorizonさんやExit Tunes Academy等を通して大きな会場で演奏できたのも、多くの人の前に立ちたいという小さい頃からの(今も小さいですがw)夢を諦めずに持ち続けたからだと思います。
最近聴いているのはヘビーロック系のものや、またストリングスの沢山入ったものなどジャンル関係なく聴くことが多いです。
Dr 藤本健一
【4】ファンの方のブログに未発表曲で『Only Only You』『Tiny Destiny』『Alive』というタイトルの曲がありました。他に未発表曲などがあればその音源化や曲調について教えてください。
高山:Only Only YouとTiny Destinyは当時、SLとして考えていた曲でリリース前に解散してしてしまい結果的に未発表になってしまいました。もし皆さんのリクエストがあれば録り直して聴いて頂ければと思います。
そして新曲も少しずつですが見えてきてる感じなのでどこかのタイミングで発信したいと思います。
後藤:『Only Only You』『Tiny Destiny』に関しては、90年代当時のまさに未リリース楽曲ですね。どちらもとてもZYYGらしいROCKチューンで、当時のLIVEでもよく演奏してたんで、覚えてくれてるファンもいるかもしれませんね。『Alive』に関しては、高山の確か2000年以降の楽曲だと思いますが、2006年大阪hills パン工場LIVEで「今のZYYGでやってみないか」な経緯だったと思います。
どれも公式にはお聴かせ出来てませんが、メチャ最高なんでチャンスがあれば是非、って思ってます。
加藤:当時からOnly Only YouとTiny Destinyが未発表曲としてLiveでもやっていたので、何かのタイミングで形にしたいですね。
藤本:Only Only You、Tiny Destiny等ですね!この子たちはまだ「Re=take」してあげていないので、他の作業も進めながらいずれ皆さんの元にお届けできる時がくるように、頑張ります♪くれぐれも「出す出す詐欺」にならないように進めます!首を長くしてお待ちください。ライブの時みんな首が長かったらウケる♪
【5】今回のライブ後の活動で考えていることはありますか?
高山:やはり配信等も含め1曲でも多く皆さんの耳に届くようにしていきたいし1度でも多くLIVE等で皆さんと逢える時間を作っていきたい。それとアンプラグドみたいなballad曲onlyのLIVEをblue noteみたいな所でやってみたい。
そんな中、東京でのLIVEがSOLD OUTで本当にありがたいと思います。そこで追加公演として大阪パンhillでのLIVEも決定し、嬉しい限りです。
後藤:今後のZYYGに関して…メンバーと決意したのは「KEEP ON ROCKIN’」です。年齢も重ねて、それぞれ抱える日常はありつつ、まずは「want to」で漕ぎ出した船出を大切に進めて行きたいと思ってます。具体的な詳細はね~フフ~お楽しみに…ですね。
僕もいち音楽マニアとして「再結成を熱望するファン心理」痛いくらいに理解してるつもりです。そのワクワクは裏切らないゼ!と。(笑)
加藤:未発表曲についてでも触れさせて頂きましたが、Only Only YouとTiny DestinyのPVとか撮ってみたいな!曲も歌詞もバッチリはまっているから、絶対良い映像になると思う!
藤本:せっかくこうして再始動までこぎつける事ができたので、ライブ活動はもちろんの事、今進めている音源のリリースや、ライブだけではないイベントなど、今までできなかったこともやってみたいですね!
そしてまさかの高山も書いているとは思わなったDinner Show!2人意見が一致したので多数決でやるでしょう?!最近僕もディナーショーに参加させていただく機会が多かったのでZYYGでもやりたいなと丁度思っていました!
夏は変わらずやんちゃな僕たちを、またその機会には大人なZYYGを見てください。
【6】今回のライブの意気込みをどうぞ!
高山:基本ベースは残しつつ東京と大阪でセットリストを少し変えてそのLIVEでしか聴けない曲をバランスを取ってPLAY出来ればと思います。全部PLAYすると4時間くらいになってこっちがKNOCK OUT食らっちゃうので(笑)
改めて今回活動を再開するにあたって、今さらという声があるのも知っています。それでもZYYGを通して感じた想いや出逢えた人々。メンバーそれぞれのPRIDEが活動再開に踏み切らせた。自分も含めメンバー、ファン、スタッフ。普段は別々の時間が流れる中でZYYGというキーワードを提示した時に同じ時間を共有出来る。これ程素晴らしい事はないと思う。そんな時間をもっともっと増やしていけるようにしていきたい。
そのスタートとして令和元年夏。東京、大阪で弾けましょう!
後藤:今回、改めて痛感してるのは「音楽は最強のタイムマシン」つまり大切な音楽が数秒でも心がキャッチした瞬間その頃の自分、景色、想いにスリップ出来る。なんてステキなんだろう、と。しかもこのタイムマシンはただ「過去」に向けてだけでなく、今現在の衝動が「未来の自分」を突き動かすって…想像するだけでワクワクでしょ(笑)
今回オフィシャルにてコメントも寄せましたが、ZYYGをずっと愛し続けてくれてたファンの皆さん、そして世代も年齢も超えて、初めてZYYGを知ってくれた皆さんに逢える事、ホントに夢の様に誇りに思ってます!熱い夏にしましょう。
加藤:今はメンバーそれぞれ毎日顔を合わすことはないけれど、スケジュール調整しつつ時間を許す限りリハーサルをやっています。やりたい曲がありすぎてLiveのセットリストがなかなか纏まらないけど、きっと良いものをお見せできると思うので、7月の東京、大阪を楽しみにしていて下さい!
藤本:今まで僕たち4人の音、ライブを経験したことがない方々に見ていただける事はバンドとしても音楽家としても、大変嬉しく有難いです。まず夏は変わらず やんちゃに演りますので、見たことがある方も初めての方も楽しみに一緒に盛り上がってください。そして大人なZYYGも一度見て欲しいなと 個人的には思ってます。
みなさんと久しぶりに騒げるの とっても楽しみにしています♪
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